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ライセンスについてあれこれ論議
hxxk.jp で使用している Movable Type は、限定個人ライセンス(無償)を使用しているのですが、これ以外のとある場所でも Movable Type を使用することになったので、有償ライセンスに乗り換えることにしました。 しかし、私の行おうとしていることはどのライセンスに当てはまるのか ? こういったケースならこのライセンスだ、いやいやあのライセンスだ、という話を IRC チャンネル #hxxk や #順列都市で行いました。
しかし、こう言ってはいけないのかもしれませんが、 Movable Type Publishing Platform: ライセンス・価格の記述には解釈が分かれそうな物が多く、明確な結論が得られませんでした。 そこで、 Movable Type Publishing Platform: Movable Typeに関するお問い合わせを利用して問い合わせをして、明確な回答を得られたのでここにまとめておきます。
- 関連ページおよび関連資料
- 言葉の定義 (1) - ユーザー、著作者
- 言葉の定義 (2) - サーバ
- 言葉の定義 (3) - ウェブログ
- 言葉の定義 (4) - ウェブログ数
- ライセンスの種類 - 個人ライセンス
- ライセンスの種類 - 限定個人ライセンス ( 無償 )
- ライセンスの種類 - 通常ライセンス
- ライセンスの種類 - ホスティングライセンス
- ライセンスの種類 - その他のライセンス
- ケーススタディ - 非商用目的の個人が、複数の別のサーバで使用したい
- ケーススタディ - 非商用目的の個人が、同一サーバ上の異なるドメインで使用したい
- ケーススタディ - 非商用目的の個人の使用が中心で、家族や友人にも記事を投稿させたい
- ケーススタディ - Movable Type のインストールを代行してもらいたい
- ケーススタディ - moblog.uva.ne.jp - moblog mail gateway を使って moblog を作りたい
- トラックバック送信一覧
関連ページおよび関連資料
ライセンスに関する記述は様々な場所に置かれているため、最初にまとめておこうと思います。
- Movable Type Publishing Platform: ライセンス・価格
- Movable Type FAQ - ライセンス関連
- Movable Type FAQ: Movable Typeのそれぞれのライセンスの違いを教えて下さい。
- Movable Type FAQ: 個人ライセンスと商用ライセンスの違いを教えてください。
- Movable Type FAQ: Movable Typeを会員向けにホスティングサービスとして導入したいのですが、どうすればいいでしょうか?
- Movable Type FAQ: Movable Type 2.x系を利用しているのですが、そのまま使い続けていても問題ありませんか?
- Movable Type FAQ: Movable Typeをカスタマイズしてもいいのでしょうか?
- Movable Type FAQ: アフィリエイトを利用したいのですが、商用扱いになるのでしょうか?
- Movable Type FAQ: Recently Update Keyとは何ですか?
- Movable Type FAQ: アップグレードはできますか?
- Six Apart Japan: Movable Type 3.0のライセンス体系について
また、ライセンス自体の条文は、ライセンスを購入しようとする際に読むことができますので、合わせてお読みください。 ( 本来ならそれもオープンな場所で公開するべきだとは思いますが……。 )
言葉の定義 (1) - ユーザー、著作者
Movable Type におけるユーザーおよび著作者という定義は、利用許諾契約書にて次のように定められています。
「ユーザー」とは、本Softwareの「ウェブログ投稿者の追加/編集」機能をもって本Softwareにより生み出される独自のログイン名を持ち、且つ90日以内にログインした個人を意味します。 お客様の組織において雇用が終了した個人、及び本Softwareを使用していない個人は、90日以内にログインしていた場合においても、ユーザーとして数えないものとします。 一個人のログイン名を複数の者で共有することは禁止とします。
「著作者」とは、本Softwareの「ウェブログ投稿者の追加/編集」機能をもって本Softwareにより生み出される独自のログイン名を持つ個人を意味します。 一個人のログイン名を複数の者で共有することは禁止とします。
ダウンロードライセンスの場合は 90 日以内にログインした人を指し、個人ライセンスにおいてはライセンス所持者自身を指します。 個人ライセンスにおいて勘違いしやすいのですが、同一人物が異なるハンドルのログイン名を 3 つ使用する場合、それは 3 ユーザーということになります。
言葉の定義 (2) - サーバ
Movable Type におけるサーバという定義は、利用許諾契約書にて次のように定められています。
「サーバー」はMovable Typeがインストールされた1台のコンピューター、又はMovable Typeがインストールされた1台のコンピューター及びウェブページの公開用に使用する1台以下のコンピューター及びデーターベース・サーバー用に使用する2台以下のコンピューターから成る1つのコンピューター群を意味します。
言葉の定義 (3) - ウェブログ
Movable Type におけるウェブログという定義は、利用許諾契約書および Six Apart Japan: Movable Type 3.0のライセンス体系についてにて次のように定められています。
「ウェブログ」とは、本Softwareの「ウェブログの作成」機能をもって本Softwareにより生み出されるものであって、個人によって創作されたコンテンツを刊行するためのウェブサイトを意味します。
“ウェブログ”とは、一つのURL(ユニフォーム・リソース・ロケーター)から閲覧可能な、一つのウェブサイトのことで、Movable Typeの「新しいウェブログの作成」機能で作成された1つ以上のウェブログから構成されます。
非常に紛らわしいのですが、「新しいウェブログの作成」で作成できるものと、それ ( または複数のそれら ) によって構成される一つのウェブサイトの両方をウェブログと表現していますので、注意が必要です。 ライセンス上で数える単位は、次項のウェブログ数となります。
言葉の定義 (4) - ウェブログ数
Movable Type の管理画面の「ウェブログの作成」機能で作成するウェブログは、 Six Apart Japan: Movable Type 3.0のライセンス体系についてでは Movable Type 上のウェブログと表現されています。 では、各ライセンスにおいて「ウェブログ数 3 」とか「ウェブログ数無制限」と書かれている「ウェブログ数」とは何でしょうか。
Six Apart Japan: Movable Type 3.0のライセンス体系についてを読んでみると、
念のため、ウェブログ・サイトを構成する下位ウェブログは、ライセンス上のウェブログ数には数えられません。
例:もしあなたのウェブログ・サイトが、Movable Type上は4つのウェブログで構成されていた場合、つまり一つが文字ベースのメイン・ウェブログ、一つがリンク集、一つが音楽リスト、一つが書籍リスト、という構成の場合、ライセンス上は1ウェブログとみなされます。
多くのMovable Typeユーザーが、非常に頻繁にこういう設定をしています。 例えば、Movable Type公式サイト(movabletype.org)は、Movable Type上は3つのウェブログから構成されています。 現在、技術的見地から、この区別をよりシンプルにしようとしていますが、この説明によって(ウェブログ数に関する)疑問が解消されることを望みます。
よって、個人で Movable Type を使用している場合、ライセンス上のウェブログ数は 1 となる場合が多いと思います。 ただし、ウェブログ数による制限は限定個人ライセンス ( 無償 ) 以外では無制限なので、有償ライセンスの場合は基本的に考慮する必要はありません。
Movable Type 3.2 のリリースに伴ってライセンス体系の変更が行われ、限定個人ライセンス ( 無償 ) でもウェブログ数の制限は無くなりました。
ライセンスの種類 - 個人ライセンス
個人ライセンスの場合、利用許諾された一個人(お客様)にのみ、Movable Typeの利用が限定されています。
個人ライセンスにおける複数ユーザーは、お客様が別名で投稿するためのものですが、家族・友人等が、利用許諾をされたお客様のウェブログに投稿することまでは制限をしておりません。
ただし、商用・非商用に関わらず、特定・不特定の他者にウェブログサービスを提供するためには、ホスティングライセンスが必要です。
家族・友人等で自由にWeblogをつくり、お互いに投稿するためには、任意団体・クラブ・サークルでも利用が可能な通常ライセンス(ダウンロードライセンスまたはライセンスパック)をご利用ください。
非商用目的の個人ユーザーは、基本的にこのライセンスに該当します。 しかし、投稿者名 ( ログイン ID ) を 1 つしか使わず、ウェブログ数が 3 以下であれば限定個人ライセンス ( 無償 )を使用することができます。
なお、
家族・友人等が、利用許諾をされたお客様のウェブログに投稿することまでは制限をしておりません
という例外もありますが、これについてはケーススタディ - 非商用目的の個人の使用が中心で、家族や友人にも記事を投稿させたいで解説します。
ライセンスの種類 - 限定個人ライセンス ( 無償 )
限定個人ライセンスは、無償で利用可能ですが、利用できるユーザー数(ウェブログ投稿者数)は1、ウェブログ数は3に制限されています。 ウェブ構築業者が、本ライセンスを用いて顧客システム開発やインストール代行を行うことはできません。 またサポートなど、有償ライセンス向けのサービスは、限定個人ライセンスでは利用できません。
前項の個人ライセンスに、一定の条件を設定して無償としたライセンスです。 同じ個人でも、投稿者名 ( ログイン ID ) を複数使い分ける場合はユーザー数の制限を超えますので、このライセンスを使用することはできません。 その場合は個人ライセンスを購入する必要があります。
Movable Type の限定個人ライセンス ( 無償 ) を使える条件に改めてまとめていますので、合わせてご覧ください。
ライセンスの種類 - 通常ライセンス
法人・団体のお客様がMovable Typeを利用する場合は、ダウンロードライセンス、ライセンスパックが適用されます。 また、個人名義であっても商用目的にMovable Typeを使用する場合、ウェブ構築業者がMovable Typeを使ってシステム構築やインストール代行をする場合も、これらのライセンスを利用する必要があります。
また、Movable Typeは利用許諾された個人、法人・団体の社員・職員またはそれに準ずる方に利用が限定されています。 商用・非商用に関わらずライセンスを所有し、特定・不特定の他者にWeblogサービスを提供するためには、ホスティングライセンスが必要です。
法人・団体
とありますが、これは「個人以外」と考えると分かりやすいでしょう。
私が問い合わせた際にいただいた回答では、クラブやサークルにおける使用の場合も通常ライセンスが必要になるということでした。
また、引用部分にもありますが、個人であっても商用目的の場合や、システム構築・インストール代行を行う場合もこのライセンスが必要となります。
ライセンスの種類 - ホスティングライセンス
Movable Typeを会員向けにホスティングサービスとして導入したい場合には、こちらの問い合わせフォームから、お問い合わせください。
これはおそらく、レンタルサーバを運営するような事業者が、会員向けに Movable Type をプリインストールすることをアピールポイントとする場合などに該当すると思います。 ビジネスサイト向けトータルソリューション cozy.biz などが実例として挙げられると思います。
ライセンスの種類 - その他のライセンス
- Movable Type Publishing Platform: ライセンス・価格 - 教育用ディスカウント
- Movable Type Publishing Platform: ライセンス・価格 - 非営利団体(NPO)用ディスカウント
これらのアカウントは、詳しいことは書かれていないため省略します。 ( どちらも問い合わせフォームに誘導しているので、ケースバイケースで判断するのでしょう。 )
ケーススタディ - 非商用目的の個人が、複数の別のサーバで使用したい
これは要するに私のケースです。 私の状況を例に出して説明します。
現在、私は hxxk.jp というドメインにおいて、限定個人ライセンス ( 無償 ) にて Movable Type を使用しています。 このドメインが割り当てられているサーバは XREA の s77 サーバです。 今回それとは違うサーバをレンタルし、 hxxk.jp とは何ら関連性の無い ( 単に作成者が同じという程度しか共通しない ) 、新たなサイトを作ることになり、それにも Movable Type を活用したいと考えました。 それらのサイト同士には関連性を持たせたくないため、ログイン ID は当然別のものを使用することになります。 その時点で限定個人ライセンス ( 無償 ) の条件からは外れるため、個人ライセンスを購入しようと考えました。 しかし、利用許諾契約書に目を通すと、サーバ数は 1 と明記されています。
この場合は個人ライセンスを 2 サーバ分購入することになるだろうなと思いつつ、 Six Apart の見解を知りたかったため、問い合わせをしました。 返ってきた回答の要約をすると、 「現時点で限定個人ライセンスを逸脱していないのであれば、新しいサーバにて個人ライセンスを購入してください。 なお、仮に現サーバと新サーバの両方が 1 ユーザー、 3 ウェブログ数以内でも個人無償ライセンスをふたつ以上使用することはできません。」 ということでした。
よって、もし更にもうひとつサーバをレンタルし、計 3 つのサーバで運用する場合は個人ライセンスを追加で購入する必要があるでしょう。 今回は合計で 2 つのサーバであるので、 hxxk.jp は限定個人ライセンス ( 無償 ) のままで使わせていただき、新たなサイトの方にて個人ライセンス ( 5 ユーザ版 ) を購入させていただきました。
ケーススタディ - 非商用目的の個人が、同一サーバ上の異なるドメインで使用したい
これは前述のケースと似ていますが、同一のサーバである点が異なります。
サーバの設定によっては、同一サーバ上で複数のドメインを使用することができます。 ( これをマルチドメインと呼びます。 ) その場合は、サーバ数は 1 として数えられるので、ユーザ数やウェブログ数でライセンスを判断することになります。
今回は個人ライセンスを購入する前提で問い合わせをしたため、マルチドメインでも限定個人ライセンス ( 無償 ) が許可されるかどうかには触れられませんでしたが、おそらく 1 ユーザー、 3 ウェブログ数以内であれば大丈夫だと思います。
ケーススタディ - 非商用目的の個人の使用が中心で、家族や友人にも記事を投稿させたい
今回、 IRC にて最も議論が交わされた部分です。
まず、ライセンス内に
一個人のログイン名を複数の者で共有することは禁止
と明記されているため、ライセンス所持者のログイン ID を使って投稿を行うことは不可能だろう、と。
しかし、家族や友人のためのログイン ID を作成してしまうと、それは個人の範疇を超えるため、通常ライセンスと判断すべきではないか ?
それなら、
家族・友人等が、利用許諾をされたお客様のウェブログに投稿することまでは制限をしておりません
というのは一体どういう状況を指すのか ?
各人なりの解釈が飛び出し、熱い議論が交わされました。 ( 本当はモテ系 IRC チャンネルのはずなのに ! ) そこで、今回サーバ数の関係で問い合わせたついでといっては何ですが、この件についても尋ねてみました。
その回答を要約 ( 強調は私 ) すると、 「本来はライセンス所持者様の別名 ID 用の複数ライセンスということになります。 しかし家族や親しい友人までも制限するのはいかがなものかということで、その方々が投稿するための ID としてライセンスを使っていただくのは許容範囲内とさせていただいております。 しかし、その方々がオーナーとなるような Weblog を複数ご利用いただく場合や、クラブやサークルにおけるあるテーマに沿った Weblog をご利用いただく場合は通常ライセンスをご利用いただいております。」 とのことでした。
よって、個人ライセンスを持っている場合に、その家族・友人がライセンス所持者の Weblog に対しての投稿のみを行うために、ライセンスの範囲内でログイン ID を増やすことは許容されるということです。 家族や友人が更に新しい Weblog を作成したり、投稿者の追加を行ったりすることは許容されないと捉えて良いでしょう。 ( 当然ながら、限定個人ライセンス ( 無償 ) では、投稿のみの権限であれこのようなことはできません。 )
ただ、クラブやサークルといった括りで特定のテーマに沿った weblog を利用する場合は、通常ライセンスの範疇になるということですので、家族や友人が投稿のみを行う場合であっても、それを継続的に行う場合は個人ライセンスの範疇を超えると考えた方が良いかと思います。 あくまでゲスト的に、非継続的な投稿を行う程度が個人ライセンスの範疇ではないかと思います。
ケーススタディ - Movable Type のインストールを代行してもらいたい
Movable Type は CMS ツールであるため、それを活用してシステム構築を行おうというケースはよくあると思います。 ホスティング事業者にサーバの確保を依頼して、かつ Movable Type のインストールを依頼したい場合、通常ライセンスを使用することになります。 ( この場合、必ずしもホスティング事業者 = インストール実行者である必要はありませんが。 )
これは契約によっても変わりますが、たいていは「通常ライセンス自体はクライアント側で取得し、サーバホスティングおよび Movable Type のインストールは事業者側で請け負う」というパターンになると思います。
ホスティングライセンスと混同しがちですが、クライアント側がライセンスを持つという点が大きな違いでしょうか。
ケーススタディ - moblog.uva.ne.jp - moblog mail gateway を使って moblog を作りたい
moblog.uva.ne.jp - moblog mail gateway という、モブログゲートウェイサービスがあります。 予めこれに登録しておくことにより、携帯電話からのメール送信で記事を投稿できるようになります。
それの解説記事を読むと、
まず、最初に Movable Type で新しいアカウントを作ってください。 moblog.uva.ne.jp は、メールを受けて、リモートから更新します。 そのため、moblog.uva.ne.jp に username, password を登録しなければなりません。 安全のためにも、普段使っているのとは別のアカウントを一つ作ってください。
と書いてあります。 この解説記事が書かれた時は Movable Type のバージョンは 2.6 だったため、現行のライセンスと違ってログイン ID の追加も問題はなかったと思います。 しかし、現行の Movable Type 3.x ライセンスに照らし合わせると、 moblog 用のアカウントを作成するためには個人ライセンスを購入する必要があると思います。
moblog.uva.ne.jp - moblog mail gateway を運営しているのは、 Six Apart の平田氏であるため、解説中にライセンスのことも触れられていると思ったのですが、残念ながら見つけられませんでした。 そこで説明されていない以上、 moblog.uva.ne.jp - moblog mail gateway だけが特例とみなすこともできないと思うので、やはり個人ライセンスが必要になるでしょう。
逆に、 moblog.uva.ne.jp - moblog mail gateway による moblog 用にしかログイン ID を作らない ( パソコンからの更新は行わない ) 、または ( セキュリティが下がるけれど ) 通常使用しているアカウントで moblog.uva.ne.jp - moblog mail gateway に登録をするといった場合は限定個人ライセンス ( 無償 ) で問題ないと思います。
トラックバック送信一覧
- Movable Type FAQ: Movable Typeのそれぞれのライセンスの違いを教えて下さい。
-
ケーススタディを例示して、それぞれのライセンスの違いを考察してみました。
- moblog.uva.ne.jp - moblog mail gateway [dh's memoranda]
-
Movable Type 3.x のライセンス形態では、ログイン ID を複数作成する場合は限定個人ライセンス ( 無償 ) ではなく個人ライセンスが適用されると思いますが、そのことについて触れられていません。 そのため、知らず知らずライセンス違反になってしまっているユーザが多く存在すると思うのですが……。

