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選挙関連のちょっとした知識をまとめることにしました
普段は政治的なことをあまり書かない当 hxxk.jp ですが、衆議院の解散を受けて新聞・テレビ等での報道はもとより、多くの weblog でも総選挙がホットな話題になっています。
私が政治的なことをあまり書かないのは、政治に対する知識が乏しいからです。 関心が無いわけではありませんが、多くの政治系 weblog の知識量に圧倒され、読む方専門になっています。 選挙についても同様で、どの政党がどういうビジョンを持っているか、どの候補者がこれまでにどういった公約を掲げてきたか、掲げようとしているかはまだまだ勉強が必要だと思います。
そこで、政党や候補者の情報については他の weblog にて勉強させてもらうとして、とりあえず選挙というものがどういった仕組みで行われるのか、どういった決まりが定められているかを調べてみたり、詳しい知人に尋ねてみたりしました。 調べてみて分かったのですが、社会の時間に習ったり、受験勉強で覚えた記憶がある項目も多々ありました。 ということは私は暗記するだけで、理解はしないままだったということですね......。 もし事実の誤認や読み違えで、誤ったことを述べていると思われる場合はご指摘ください。
公示 ? 告示 ?
民主党大阪府連からアダルトサイトへのリンクが - ウェブサイトと公職選挙法での文中で、公示と書くべきところを告示と書いていました。 ( 自分で気付いたので、特に断りを入れずこっそりと修正しています。 )
今回は衆議院議員総選挙であるため、公示という言葉を使うのが正解です。 では、公示と告示の違いは何でしょうか。 まず、言葉の意味はどう違うかを調べてみました。
- こうじ 0 1 【公示】 - goo 辞書
-
(名)スル 公の機関が広く一般に知らせること。 「総選挙の期日を―する」
- こくじ 0 【告示】 - goo 辞書
-
(名)スル 公的な機関がある事項を広く一般に知らせること。 また、そのもの。 官報・公報などによるのが通例。 「内閣―」「―板」
公的機関が広く一般に知らせるという意味は同じのようです。
そこで、辞書による意味ではなく実際にどう区別されるかの解説を検索したところ、告示と公示と公告と通達の違いにちょうど良い解説が書かれていました。
同じ国政選挙でも、総選挙でなく補欠選挙の場合は公示ではなく「告示」です。
国政選挙の通常選挙の場合の「公示」も、実質的には「告示」です。
と、ふむふむ。
- 第7条
天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
- 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
- 国会を召集すること。
- 衆議院を解散すること。
- 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
- 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
- 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
- 栄典を授与すること。
- 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
- 外国の大使及び公使を接受すること。
- 儀式を行ふこと。
国会議員の総選挙が施行される場合のみ公示という言葉を使うようで、実質的な意味としては同じと理解して良いようです。
総選挙 ? 通常選挙 ?
さて、今回の総選挙の名称は「第 44 回衆議院議員総選挙」です。 この「総選挙」以外にも、「通常選挙」や「一般選挙」という言葉があります。 その違いは何でしょうか。
- 総選挙
-
衆議院議員選挙に用いられます。 ただし、補欠選挙なども存在するため、全ての衆議院議員選挙に用いるわけではありません。 もちろん、今回のように衆議院の解散を受けて行われる選挙は総選挙です。
- 通常選挙
-
参議院議員選挙に用いられます。 衆議院と違って解散がなく、また 3 年ごとに半数ずつの改選であるため、参議院議員総選挙という選挙はありません。 ( 今こそ! 参議院 基礎の基礎 - [よくわかる政治]All About )
- 一般選挙
-
国会議員以外の選挙、即ち都道府県議会議員選挙や市町村長選挙に用いられます。
さて、前項で書いたように、総選挙の施行を知らせることは公示と呼ばれます。 よって、通常選挙の施行を知らせることは公示とは呼ばないと思うのですが、参議院議員通常選挙 公示で検索 ( 約 9,790 件の検索結果 ) と参議院通常選挙 告示で検索 ( 約 9,520 件の検索結果 ) の結果を見る限り、参議院通常選挙についても公示と呼ぶこともあるようです。
どなたか、参議院議員通常選挙については「公示」と「告示」のどちらを用いるのが正しいのかご存知でしたら教えてください。 参議院通常選挙でも「公示」を用いるのが正確な表現であることが分かりました。
期日について - 解散日、公示日、投票日、開票日
衆議院の解散に伴う選挙では、解散の日付が公示日、投票日、開票日を左右することになります。 今回は、 2005 年 8 月 8 日に衆議院が解散しました。
公職選挙法 ( 総選挙 ) には次のように定められています。
- 第31条
衆議院議員の任期満了に関る総選挙は、議員の任期が終る日の前30日以内に行う。
- 2
前項の規定により総選挙を行うべき期間が国会開会中又は国会閉会の日から23日以内にかかる場合においては、その総選挙は、国会閉会の日から24日以後30日以内に行う。 《改正》平9法127
- 3
衆議院の解散に因る衆議院議員の総選挙は、解散の日から40日以内に行う。
- 4
総選挙の期日は、少なくとも12日前に公示しなければならない。
- 5
衆議院議員の任期満了に因る総選挙の期日の公示がなされた後その期日前に衆議院が解散されたときは、任期満了に関る総選挙の公示は、その効力を失う。
よって、解散の日 ( 2005 年 8 月 8 日 ) から 40 日以内、即ち 2005 年 9 月 17 日までに選挙を行うことになります。 そして、選挙は基本的に日曜日に行われます。 ( 法律で定められているわけではありませんが、やはり投票率の増加などの狙いがあるのでしょう。 ) これにより、 8 月に入って郵政民営化関連法案の採決が 8 日になるだろう ( そして否決されれば衆議院解散となるだろう ) と囁かれた頃は 2005 年 9 月 4 日もしくは 2005 年 9 月 11 日が総選挙の期日 ( 投票日 ) になるだろうという予測が行われたわけです。 最終的に、 2005 年 9 月 11 日が投票日となりました。
次に公示日ですが、
少なくとも 12 日前に公示
ということですので、投票日の 12 日前以前になります。
しかし、公職選挙法 ( 衆議院小選挙区選出議員の選挙における候補者の立候補の届出等 )に
当該選挙の期日の公示又は告示があつた日に、郵便等によることなく、文書でその旨を当該選挙長に届け出なければならない
と定められており、無闇に公示を早めても立候補する側の準備が難しくなるため、 12 日より前に公示されることはあまりないと思います。
( 第 42 回衆議院議員総選挙や第 43 回衆議院議員総選挙は 12 日前でした。
立候補予定者の準備の問題以外には、公示を早めるとその分選挙運動期間が長くなるため、過去の選挙と比べて不公平が生じないようにしているのかもしれません。 )
よって、今回も投票日 ( 2005 年 9 月 11 日 ) から数えて 12 日前、 2005 年 8 月 30 日が公示日となりました。
さて、最後に開票日です。
公職選挙法 ( 開票日 ) に、
開票は、すべての投票箱の送致を受けた日又はその翌日に行う
と定められているため、投票日 ( 2005 年 9 月 11 日 ) の同日またはその翌日 ( 2005 年 9 月 12 日 ) に行うことになります。
( 投票箱の送致は、公職選挙法 ( 投票箱等の送致 ) にて選挙の当日に送致しなければならないと定められています。 )
よって、必ずしも同日に投開票をしなくても良いのですが、マスコミの選挙報道などもあって同日に投開票を行うことがほとんどです。
今回の総選挙も 2005 年 9 月 11 日に即日開票となっています。
選挙運動の期間や時間帯
公職選挙法 ( 選挙運動の期間 ) に次のように定められています。
前項でも触れた通り、候補者の届出日は公示または告示のあった日とイコールですから、今回の総選挙では 2005 年 8 月 30 日から 2005 年 9 月 10 日までが選挙運動の期間となります。
さて、選挙運動というと、選挙カーによる候補者名の連呼が真っ先に思い浮かぶと思います。 ( 他にも街頭演説などがあります。 ) この選挙カーによる連呼は、公職選挙法 ( 連呼行為の禁止 ) にて厳しく制限がなされています。
- 第140条の2
何人も、選挙運動のため、連呼行為をすることができない。 ただし、演説会場及び街頭演説(演説を含む。)の場所においてする場合並びに午前8時から午後8時までの間に限り、次条の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶の上においてする場合は、この限りでない。
- 2
前項ただし書の規定により選挙運動のための連呼行為をする者は、学校(学校教育法第1条に規定する学校をいう。以下同じ。)及び病院、診療所その他の療養施設の周辺においては、静穏を保持するように努めなければならない。
もし、 2005 年 8 月 30 日から 2005 年 9 月 10 日まで以外の期間、または午後 8 時から翌午前 8 時の時間帯に選挙カーが候補者名を連呼していたら、すぐ最寄りの選挙管理委員会に連絡しましょう。
現代は労働形態も多様になり、日中に眠る人も多くいると思います。 時間帯による制限解除を設けずに、連呼行為自体を禁止してしまった方が良いと個人的には考えています。 ( 夜勤が多い友人がいますが、選挙期間中は連呼行為による慢性的な寝不足に悩まされるそうです。 )
選挙人名簿について - 選挙権だけでは投票はできない
選挙権については多くの人が知っていると思いますが、満 20 歳以上の日本国民が保持します。 ( ただし、公職選挙法 ( 選挙権及び被選挙権を有しない者 ) に定められた者を除きます。 )
- 第9条
日本国民で年齢満20年以上の者は、衆議院議員及び参議院議員の選挙権を有する。
- 2
日本国民たる年齢満20年以上の者で引き続き3箇月以上市町村の区域内に住所を有する者は、その属する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する。
- 3
前項の市町村には、その区域の全部又は一部が廃置分合により当該市町村の区域の全部又は一部となつた市町村であつて、当該廃置分合により消滅した市町村(この項の規定により当該消滅した市町村に含むものとされた市町村を含む。)を含むものとする。 《追加》平14法149
- 4
第2項の規定によりその属する市町村を包括する都道府県の議会の議員及び長の選挙権を有する者で当該市町村の区域内から引き続き同一都道府県の区域内の他の市町村の区域内に住所を移したものは、同項に規定する住所に関する要件にかかわらず、当該都道府県の議会の議員及び長の選挙権を引き続き有する。 《改正》平14法149
- 5
第2項の3箇月の期間は、市町村の廃置分合又は境界変更のため中断されることがない。
ただし、選挙権だけでは投票はできません。 選挙権を持つと共に、選挙人名簿又は在外選挙人名簿に登録されている必要があります。
- 第42条
選挙人名簿又は在外選挙人名簿に登録されていない者は、投票をすることができない。 ただし、選挙人名簿に登録されるべき旨の決定書又は確定判決書を所持し、選挙の当日投票所に至る者があるときは、投票管理者は、その者に投票をさせなければならない。
- 2
選挙人名簿又は在外選挙人名簿に登録された者であつても選挙人名簿に登録されることができない者であるときは、投票をすることができない。
選挙人名簿は市町村ごとに作られ、そこに 3 ヶ月以上住所 ( 住民票 ) を持っている人を対象に登録します。 登録についてはまた細かい決まりがありますが、それは次項以降で書きます。
基本的には満 20 歳以上で日本国籍を持っており、現在の住所になって 3 ヶ月以上経過していれば自動的に登録されていると覚えれば良いでしょう。 ( 登録されていれば、現在の住所の市町村の選挙管理委員会から投票所への入場整理券が送付されてきます。 ) なお、今回の総選挙においては「選挙権を持つが選挙人名簿に登録されない」という人が少数ながら存在するようですが、それは話が複雑になるのでまたいずれ。
選挙人名簿について - 登録
さて、その選挙人名簿の登録についてですが、定期的に行われるもの ( 定時登録 ) と、選挙に伴って行われるもの ( 選挙時登録 ) があります。
- 第22条
市町村の選挙管理委員会は、登録月の1日現在により、当該市町村の選挙人名簿に登録される資格を有する者を当該登録月の2日に選挙人名簿に登録しなければならない。 ただし、市町村の選挙管理委員会は、登録月の1日から7日までの間に選挙の期日がある選挙を行う場合その他特別の事情がある場合には、政令で定めるところにより、登録の日を変更することができる。 【令】第11条 ・第12条 ・第22条 《改正》平9法127
- 2
市町村の選挙管理委員会は、選挙を行う場合においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙については、中央選挙管理会)が定めるところにより、当該市町村の選挙人名簿に登録される資格を有する者を選挙人名簿に登録しなければならない。
定時登録においては登録月
(
毎年3月、6月、9月及び12月
)
の 1 日、選挙時登録においては公示または告示日の前日を基準日として登録を行うようです。
この基準日は、住所要件の判断に絡んできます。
よって、今回の選挙における選挙人名簿の登録は 2005 年 8 月 29 日を基準日として行われることになります。
選挙人名簿について - 満 20 歳
さて、選挙権は満 20 歳以上の日本国民が持つ、ということでした。 選挙においては、選挙の期日を基準として年齢を判断します。 よって、今回の総選挙では 2005 年 9 月 11 日時点で満 20 歳以上である人に対して選挙権が存在することになります。
この「満 20 歳」というのがちょっと曲者です。
満年齢 - Wikipedia に詳しい解説があるのでここでは解説しませんが、
誕生日の前日を迎えるたびに1歳加えていく
という計算方法であるため、 1985 年 9 月 12 日以前に生まれた人が 2005 年 9 月 11 日時点で満 20 歳以上であるということになります。
期日前投票と不在者投票
選挙当日に投票所に投票に行けない人のために、期日前投票や不在者投票という制度が設けられています。
不在者投票は例えば入院中であるとか、要介護者で歩行困難であるとか、船舶乗務員で選挙当日は航海中であるとかいった場合に用いられます。 そして、期日前投票は選挙当日に用事等があって行けないといった場合に、それより前の日に投票を行うことができる制度です。 ( 公職選挙法 ( 期日前投票 ) に該当要件が書かれています。 )
期日前投票は公示または告示の翌日から選挙期日の先日 ( 2005 年 8 月 31 日から 2005 年 9 月 10 日 ) まで行われており、また午前 8 時 30 分から午後 8 時までの間 ( ただし繰り下げや繰り上げが行われる場合もあります ) 期日前投票所を開くように定められているため、選挙当日は都合が悪い方は期日前投票を利用すると良いでしょう。
投票所の開閉時間
- 第40条
投票所は、午前7時に開き、午後8時に閉じる。 ただし、市町村の選挙管理委員会は、選挙人の投票の便宜のため必要があると認められる特別の事情のある場合又は選挙人の投票に支障を来さないと認められる特別の事情のある場合に限り、投票所を開く時刻を2時間以内の範囲内において繰り上げ若しくは繰り下げ、又は投票所を閉じる時刻を4時間以内の範囲内において繰り上げることができる。
- 2
市町村の選挙管理委員会は、前項ただし書の場合においては、直ちにその旨を告示するとともに、これをその投票所の投票管理者に通知し、かつ、市町村の議会の議員又は長の選挙以外の選挙にあつては、直ちにその旨を都道府県の選挙管理委員会に届け出なければならない。
選挙当日の投票所は、基本的に午前 7 時に開き午後 8 時に閉じます。 ただし、離島や山間部の場合は開票所への投票箱の送致の関係から、早目に閉じる場合がありますので選挙管理委員会からの案内や市町村の広報などで確認をしておいた方が良いでしょう。 ( 私の住んでいる所の隣の町は午後 7 時に閉じられる投票所があるそうです。 )
まとめもしくはとりあえず基礎知識だけを見たい方への表
| 名称 | 第 44 回衆議院議員総選挙 |
| 公示日 | 2005 年 8 月 30 日 |
| 投票日 | 2005 年 9 月 11 日 |
| 開票日 | 2005 年 9 月 11 日 |
| 選挙運動をできる期間 | 2005 年 8 月 30 日から 2005 年 9 月 10 日 ( 連呼行為については午前 8 時から午後 8 時まで ) |
| 投票をできる人 | 日本国籍を持ち、 1985 年 9 月 12 日以前に生まれて 2005 年 8 月 29 日を基準日とした選挙人名簿に登録されている人 |
| 期日前投票の期間 | 2005 年 8 月 31 日から 2005 年 9 月 10 日の午前 8 時 30 分から午後 8 時まで |
| 選挙当日の投票所の開閉時間 | 2005 年 9 月 11 日の午前 7 時から午後 8 時まで |
一応、有権者として一通り知っておいた方が良い点はまとめたつもりです。 もし、これ以外で知りたい点があればコメントなどでお知らせください。
また、引越し等が絡むと選挙人名簿への登録や投票所の扱いが変わったりするのですが、それは今回割愛しました。 もしかしたら別記事に書くかもしれません。
今回の記事を書くにあたり、色々と教えをいただいた某氏に感謝します。

