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窃盗罪に罰金刑を設ける法案が提出されていました
今回も自転車で刑事処分を受ける可能性が今後増加しますに引き続いて法律のお話です。 以前万引きにも罰金刑が科されるようになるかもで、法務省が窃盗罪における刑罰に罰金刑を新たに設けることを法制審議会に諮っているということを書きましたが、平成 18 年 2 月 24 日付けで第 164 回通常国会に法律案が提出されていたようです。
国会会議録検索システムでざっと検索してみましたが、まだ提出されただけで審議はなされていない状態であるようです。
具体的にはどんな改正案なの ?
刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案新旧対照条文を見ると、刑法 第 235 条の
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役に処する。
という部分を
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
に改めるようです。
これは万引きにも罰金刑が科されるようになるかもでも触れましたが、起訴猶予にしてしまうか懲役刑を科すかという 2 つの選択肢 ( まあ、起訴された結果無罪になることもありますが ) しか無かったところに罰金刑を設け、「ちょっとの万引きなら見つかっても謝れば済む」といった風潮に歯止めがかかることが期待されます。
もっとも、国家公安委員長の会見では
罰金刑等の罰則を強化するというもので、刑法及び刑事訴訟法の強化を図り罰則を重くしていこうというものでございます。
窃盗罪や公務執行妨害罪というのは罰金刑がありませんでしたので、窃盗罪については50万円以下、公務執行妨害等についても罰金刑を新設して、50万円以下等の罰則を強化していくものであります
と、全体的な罰則強化の面を強調されていたので、万引きの心理的な抑止になるということが改正案提出の目的のひとつだというのは、私の推測の域を出ていませんが。
罰金刑を受ける≒犯罪人名簿への記載が行われる
罰金刑というのは刑罰にあたりますから、それが科されるといわゆる前科が付くということになります。
この前科という言葉は正式な法律・法令上の用語ではなく、どういったものかを正確に言い表すと「本籍地の区市役所または町村役場が保管する犯罪人名簿に一定期間記載される」ということです。
[法律用語] 前科とは - 法、納得!どっとこむによると、
一定の職につく資格又は選挙権・被選挙権の有無の調査・確認のためのもので、この名簿を見ることができるのはごく限られた機関のみです。
本人も見ることができません
とありますので、罰金刑を科されても就職の時に不利になるとか、あらぬ噂を立てられるといったことはありません ( ただし、職種によっては受験資格を得られない場合もありますし、履歴書の賞罰の欄に書く必要が生じる場合もあります ) が、やはり一定の制限がかかることには変わりありません。
今回の法案が可決された暁には、窃盗という犯罪に科される刑罰がどのようなものであるか、出来心や度胸試しなどの対価がいかに大きいかの周知が広くなされることを願います。
蛇足になりますが、見出しを「罰金刑を受ける≒犯罪人名簿への記載が行われる」と等号ではなく近似で結んでいるのは、全ての罰金刑が犯罪人名簿への記載につながるわけではないことによります。
というのも、先日の自転車で刑事処分を受ける可能性が今後増加しますにもちょっと関係しますが、道路交通法違反に伴う罰金刑については犯罪人名簿に記載しないこともあるためです。
例えば、交通裁判所と罰金では
ある役所の戸籍係によると、交通違反の罰金前科は、数が膨大なこともあり、少なくともスピード違反の罰金前科については記録していないそうです。
酒気帯びや無免許の罰金前科がどういう運用になっているかは、未調査です
と述べられています。

