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国内大手ビールメーカー 5 社のビール・節税型発泡酒・新ジャンル発泡アルコール飲料を整理してみる
退院してからというもの、 Web 系の情報はほとんど追いかけずに、ビールの雫ばかり追いかけては Hop or die! に記録しています。 その中で、後からアルコール度数や麦芽使用率ごとにまとめ読みするために、その情報も記録しているのですが、その都度調べるのが面倒になってきたので、ここで一旦自分用にまとめておこうと思います。
アルコール度数・麦芽使用率ごとの商品分布表
まず、 2008 年 4 月 10 日現在で各社のサイトから情報を得ることができるビール・節税型発泡酒・新ジャンル発泡アルコール飲料を、アルコール度数および麦芽使用率を元に分類してみました。 麦芽使用率の分け方は、麦芽とホップのみで作った純粋なビール ( 麦芽使用率 100%) 、副原料を用いているが酒税法上はビールとして分類されるもの ( 麦芽使用率 67% 以上 99% 以下 ) 、税率の低いいわゆる節税型発泡酒 ( 麦芽使用率 25% 未満または 50% 未満 ) 、麦芽を全く使わない、各社が「新ジャンル」と呼称する発泡アルコール飲料 ( 麦芽不使用 ) です。
| アルコール度数 | 麦芽不使用 | 麦芽使用率 25% 未満 | 麦芽使用率 25% 以上 50% 未満 | 麦芽使用率 67% 以上 99% 以下 | 麦芽使用率 100% |
|---|---|---|---|---|---|
| アルコール度数 | 麦芽不使用 | 麦芽使用率 25% 未満 | 麦芽使用率 25% 以上 50% 未満 | 麦芽使用率 67% 以上 99% 以下 | 麦芽使用率 100% |
| 3.0% | |||||
| 3.5% |
|
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| 4.0% |
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| 4.5% |
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| 5.0% |
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| 5.5% |
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| 6.0% |
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| 8.0% |
日本の酒税法上の「ビール」の定義
先ほどの表中、「麦芽使用率 100% 」および「麦芽使用率 67% 以上 99% 以下」の列の商品には頭に【ビール】と書いています。
日本の場合のビールの定義は酒税法 第三条に定められており、
麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの
( 十二号のイ、いわゆる麦芽とホップだけのビール )
および
麦芽、ホップ、水及び麦その他の政令で定める物品を原料として発酵させたもの(その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の百分の五十を超えないものに限る。)
( 十二号のロ、麦芽使用率 67% 以上 99% 以下のビール )
となっています。
「原料中当該政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の百分の五十を超えないもの」というのは一見分かり辛いですが、要するに麦芽以外の原料の重量は麦芽の重量の 50% を超えてはならない = 全体の重量の 33% を超えてはならないということです。 ( もし麦芽以外の原料の重量比率が 34% 以上になれば、必然的に麦芽の重量比率は 66% 以下になるので、麦芽以外の原料の重量が麦芽の重量の 50% を超えてしまいます。 )
あと「当該政令で定める物品」というのも同じ条文内にないので分かり辛くなっていますが、酒税法施行例 第六条に
ビールの原料として政令で定める物品は、麦、米、とうもろこし、こうりやん、ばれいしよ、でんぷん、糖類又は財務省令で定める苦味料若しくは着色料とする
と明記されています。
じゃあ、もしこれ以外の原料、例えばヒューガルデン ホワイトのようにオレンジピールやコリアンダーが入っていた場合は ?
......という疑問が出てきますが、それはまた別項にて。
日本の酒税法上の「発泡酒」の定義
先ほどの表中、「麦芽使用率 25% 未満」の列の商品には頭に【発泡酒】と書いているものがあります。
日本の場合の発泡酒の定義もビールに同じく酒税法 第三条に定められており、
麦芽又は麦を原料の一部とした酒類(第七号から前号までに掲げる酒類及び麦芽又は麦を原料の一部としたアルコール含有物を蒸留したものを原料の一部としたものを除く。)で発泡性を有するもの(アルコール分が二十度未満のものに限る。)をいう。
( 十八号 )
となっています。
この発泡酒という分類、表中にあるような大手メーカーの商品のイメージが先行しているためか、「ビールより麦芽の使用比率が少ないもの」という認識が浸透しているように思えます。 しかし、実は「発泡性酒類のうち、ビールおよびその他の発泡性酒類 ( 後述します ) 以外は全て発泡酒」というのがより正しい認識です。 ( いやまあ発泡性酒類というのは「ビール」と「発泡酒」と「その他の発泡性酒類」の 3 つに分類されるので、ソレ当たり前やん、と思われるかもしれませんが。 )
しかし、発泡酒の定義には実は麦芽使用率は関与していません。 ビールでもなくその他の発泡性酒類でもないということは、
- ビール以外の原料の重量が、全体の重量の 34% 以上を占める
- ビール以外の原料において、酒税法施行例 第六条に定められていないものを用いている
- 原料にいわゆるスピリッツを用いていない
のいずれかの条件に該当すれば発泡酒としてみなされ、麦芽の使用比率に応じた税金が課税されるということです。 ちなみに、発泡酒に該当するものであっても、麦芽比率が 50% 以上であればビールと同じ「 1kl あたり 220,000 円」の税率が課されます。 海外のビールや、あるいは日本国内でもマイクロブルワリーのクラフトビールには多彩なスタイルが存在しますので、「酒税法上のビール」と同じくらい麦芽をふんだんに使用していても「発泡酒」とされ、税金だけは「酒税法のビール」と同じものが多数存在します。 例えばサンクトガーレンのスイートバニラスタウトは麦芽 100% ですが、バニラを使用しているために発泡酒と分類されるという記事を以前私が書いています。
ちなみに、麦芽比率が 25% 未満、 25% 以上 50% 未満、 50% 以上 100% 以下という三分類で税率が決められていますので、国内大手ビールメーカーは、「発泡酒」と分類される商品は全て麦芽比率を 25% 未満に抑えて低価格を実現しています。
日本の酒税法上の「その他の醸造酒 ( 発泡性 ) (1) 」の定義
次に、先ほどの表中、「麦芽不使用」の列の商品には頭に【その他の醸造酒 ( 発泡性 ) (1) 】と書いています。
これまで同様酒税法 第三条に定められており、
穀類、糖類その他の物品を原料として発酵させた酒類(第七号から前号までに掲げる酒類その他政令で定めるものを除く。)でアルコール分が二十度未満のもの(エキス分が二度以上のものに限る。)をいう。
( 十九号 )
となっています。
マスメディアは「第 3 のビール」という呼称を用いていますが、そもそもビールではないものなので、メーカー各社は「新ジャンル」という呼称を用いています。
以前は酒税法上は「その他の雑酒 (2) 」という分類でした。
麦芽比率が 25% 未満の節税型発泡酒の場合の税率が 1kl あたり 134,250 円であるのに対し、その他の醸造酒 ( 発泡性 ) (1) の場合の税率は 1kl あたり 80,000 円となっています。 そのため、店頭では節税型発泡酒よりも更に低価格で販売されています。
日本の酒税法上の「リキュール ( 発泡性 ) (1) 」の定義
最後に、先ほどの表中、「麦芽使用率 25% 以上 50% 未満 」の列の商品に、頭に【リキュール ( 発泡性 ) (1) 】と書いています。
これも酒税法 第三条に定められており、
酒類と糖類その他の物品(酒類を含む。)を原料とした酒類でエキス分が二度以上のもの(第七号から第十九号までに掲げる酒類、前条第一項に規定する溶解してアルコール分一度以上の飲料とすることができる粉末状のもの及びその性状がみりんに類似する酒類として政令で定めるものを除く。)をいう。
( 二十一号 )
となっています。
これは発泡酒の
麦芽又は麦を原料の一部としたアルコール含有物を蒸留したものを原料の一部としたものを除く
という除外要件にあたるもので、発泡酒にいわゆるスピリッツを混ぜて作ることで「発泡酒に分類されない」お酒にし、税率を下げ、低価格化を図っているものです。
その他の醸造酒 ( 発泡性 ) (1) の場合の税率と同じ 1kl あたり 80,000 円となっていますが、発泡酒ではないため、麦芽使用率が多めになっている商品がほとんどです。
まとめ
- 【ビール】麦芽の使用比率が 67% 以上で、かつ政令で定められた副原料のみ使用しているもの
- 【発泡酒】麦芽の使用比率が 66% 未満か、あるいは政令で定められた副原料以外を使用し、スピリッツを原料にしていないもの
- 【その他の醸造酒 ( 発泡性 ) (1) 】麦芽を原料に使用していないもの
- 【リキュール ( 発泡性 ) (1) 】麦芽を原料に使用しており、あわせてスピリッツ ( ほとんどは大麦が原料 ) を原料に使用しているもの
乱暴にまとめると、発泡性酒類の分類はこんな感じでしょうか。 自分でまとめてみるまで、「節税型発泡アルコール飲料なんて同じようなものだろう」と、その他の醸造酒 ( 発泡性 ) (1) とリキュール ( 発泡性 ) (1) の区別が付いていませんでした。 今回作成した表は、麦芽使用率あるいは【分類】によって店頭販売価格のある程度の目安が付けられる上に、アルコール度数ごとに分けているので、買い出しの際や仕事帰りにコンビニで何か 1 本買うか、といった時にどうぞご利用下さい。

