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2008 年 6 月 1 日より変わる自転車を取り巻く情勢
2 年前に自転車で刑事処分を受ける可能性が今後増加しますという記事を書いたところ、予想よりも反響が大きく、また意外と自転車の禁止事項について知られていないことが分かりました。 2007 年 6 月 20 日に公布された「道路交通法の一部を改正する法律 ( 平成 19 年法律第 90 号 ) 」の一部が 2008 年 6 月 1 日から施行され、またそれにあわせて「交通の方法に関する教則」も改正され、同じく 2008 年 6 月 1 日から施行されるので、今回は既存の内容と新しい内容を改めてまとめなおしてみます。 ※書き出したらだいぶ時間がかかりそうになったので、とりあえず自転車の歩道通行関連について一旦公開します。近日中にこの記事を随時加筆していく予定です。
なお、この記事中の引用部分以外でいう自転車は、道路交通法第二条 十一の二に定義される「自転車」ではなく、どちらかというと道路交通法第六十三条の三に定義される「普通自転車」の意味で書いています。 まあ、いわゆる「チャリ」「チャリンコ」「チャリキ」「ケッタ」「ケッタマシーン」の類だと捉えていただければ。
参考リソース
通常の私のまとめ記事では参考リソースを最後にリストアップするのですが、今回は冒頭に持ってきてみました。 今回のまとめ記事ではこれらのリソースを元にまとめていますので、一次情報を先にご覧いただければ、この記事自体を読まなくても大丈夫です。 ( 私の性格上、法律や政令の条文を逐一引用していますので、おそらく参考リソースを読まれた方が理解しやすいと思います。 )
- 道路交通法
- hxxk.jp
- 警察庁
- (財)日本交通安全教育普及協会
- カワムラサイクル
- 各種ニュース
- 警察庁、30年ぶり教則改正 自転車3人乗り禁止 春からはルール徹底 - MSN産経ニュース
- 自転車の三人乗り問題を解決するかもしれない新商品「Wheelbarrow-bike」:Garbagenews.com
- カワムラサイクルが「3人乗り」もできる四輪自転車「かるがも」開発:Garbagenews.com
- 分離歩道:横浜・金沢区に開通 自転車道との間に防護柵/神奈川 - 毎日jp(毎日新聞)
- 自転車と歩行者通行帯区分県が実験 : 佐賀 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
- 自転車と歩行者を分離 佐賀市の国道264号沿い 利便性向上へ県が社会実験 / 西日本新聞
- 自転車の歩道走行「指定標示」をPR-県警―四国新聞社
- 自転車もルール守って : 福島 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
- 改正道交法:来月から施行 名古屋市、全小学校に自転車用のヘルメット/愛知 - 毎日jp(毎日新聞)
2008 年 6 月 1 日より変わる自転車関連のルール
普通自転車の歩道通行の条件の拡大
平成十九年法律第九十号 道路交通法の一部を改正する法律中に、道路交通法第六十三条の四を改める旨が書かれています。 まずは改正される前の条文を引用してみます。
- 第六十三条の四
普通自転車は、第十七条第一項の規定にかかわらず、道路標識等により通行することができることとされている歩道を通行することができる。
2 前項の場合において、普通自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならず、また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。
(罰則 第二項については第百二十一条第一項第五号)
続いて、改正後の条文を引用します。
- 第六十三条の四
普通自転車は、次に掲げるときは、第十七条第一項の規定にかかわらず、歩道を通行することができる。 ただし、警察官等が歩行者の安全を確保するため必要があると認めて当該歩道を通行してはならない旨を指示したときは、この限りでない。
- 一 道路標識等により普通自転車が当該歩道を通行することができることとされているとき。
- 二 当該普通自転車の運転者が、児童、幼児その他の普通自転車により車道を通行することが危険であると認められるものとして政令で定める者であるとき。
- 三 前二号に掲げるもののほか、車道又は交通の状況に照らして当該普通自転車の通行の安全を確保するため当該普通自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき。
第六十三条の四第二項中「通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分」を「普通自転車が通行すべき部分として指定された部分(以下この項において「普通自転車通行指定部分」という。)があるときは、当該普通自転車通行指定部分」に改める。
同項に次のただし書を加える。
ただし、普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。
条文だけ見比べてもピンと来ませんね。 政令で定める~と書かれていてもそれはまた別の資料に当たらないといけませんし。
道路標識等により普通自転車が当該歩道を通行することができることとされているとき
というのは、
等の標識が掲げられている場合で、これは改正前と同じです。普通自転車の運転者が、児童、幼児その他の普通自転車により車道を通行することが危険であると認められるものとして政令で定める者
というのは、「道路交通法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令及び道路交通法施行令の一部を改正する政令の概要」にて普通自転車により歩道を通行することができる者を児童及び幼児、70歳以上の者並びに身体障害者と
定められています。児童及び幼児というのはそのまま「 13 歳未満の子供」と読み替えて良いでしょう。車道又は交通の状況に照らして当該普通自転車の通行の安全を確保するため当該普通自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき
というのは具体的な基準が無いので、難しいところです。自転車は本来車道通行が原則なのですが、現在の交通事情では車道を通行する方が危険が大きい、という道路があるのも否定できません。もっとも、自転車道を速やかに整備するなり、道路状況を調査して車道通行が危険な道路については
の標識を取り付けて通行可能であることを明示するなりの対策を取れば、こういった「状況に照らして~」といったあいまいな基準は必要なくなると思います。
普通自転車の歩道通行の方法の指定
現行法では、
等の標識が掲げられている歩道を通行する場合は、
普通自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならず、また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない
と定められていました。
あくまで歩道通行が認められている場合でも、「基本は車道寄り ( 道路標示で指定されている場合はこの限りではない ) を徐行で通行し、歩行者の通行を妨げそうな場合は一時停止」という通行方法だったわけですね。
それが改正後は
ただし、普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる
と改められます。
等の標識が掲げられた歩道を通行するとき、あるいは 13 歳未満の子供・ 70 歳以上の高齢者・身体障碍者が歩道を通行するときや道路状況に照らして止むを得ず歩道を通行するときは、「自転車はこっち側を走れ、と示されている部分 ( 普通自転車通行指定部分 ) に歩行者がいなければそれなりの速度で通行できる」ということですね。
「歩行者は普通自転車通行指定部分をできるだけ避けて通行するように努めなければならない」旨の新設
さて、ここまでの部分で自転車の歩道通行についての改正について触れました。 これだけだと、「今までも原則通行禁止、通行する場合は徐行 ! というルールだった ( しかも実質はほとんど守られていない ) のに、改正されたルールだと徐行しなくても良いようになっているじゃないか」ということになります。 そこで、
- 第十条の次に次の一項を加える。
3 前項の規定により歩道を通行する歩行者は、第六十三条の四第二項に規定する普通自転車通行指定部分があるときは、当該普通自転車通行指定部分をできるだけ避けて通行するように努めなければならない。
といった歩行者の通行ルールに関する改正もなされています。 まあ、要するに「歩道によっては自転車が通行する可能性を高くしたから、歩行者もその部分を歩かないように」ということですね。 この棲み分けがうまくいけば「自転車が歩行者をはねる」「歩行者の横を猛スピードで自転車が駆け抜ける」といった事故や危険は少なくなるでしょう。 うまくいけば、ですが。
なお、道路交通法第十条については、道路交通法第十五条にて
警察官等は、第十条、第十二条又は第十三条の規定に違反して道路を通行している歩行者に対し、当該各条に規定する通行方法によるべきことを指示することができる。
(罰則 第百二十一条第一項第四号)
として、道路交通法第百二十一条で
二万円以下の罰金又は科料に処する
とされていますが、同じくこの改正で
第十五条第一項中「第十条」を「第十条第一項若しくは第二項」に改める
とされ、
前項の規定により歩道を通行する歩行者は、第六十三条の四第二項に規定する普通自転車通行指定部分があるときは、当該普通自転車通行指定部分をできるだけ避けて通行するように努めなければならない。
の項については罰則のない努力義務となっています。

