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九州縦断ドライブツアーレポート
「ところで温泉行かない ? 」
居酒屋で酒を汲み交わしている際に、唐突に振られた話題。 予定が空いているか分からないし、そもそもどこの温泉ですかと尋ねたら帰ってきた答えが「鹿児島県」とのことで、それはガソリン代や高速代もだいぶかかるんじゃぁないですかと躊躇していたのですが、予定も空いたし計算するとそんなに多額の費用にはならないしということで温泉旅行に行ってきました。
元々は若い頃 ( とは言っても彼は私より年下で、今も充分若いのですが ) にドライブを趣味としていた友人が、「久々にドライブなどしたいですね」とのことで計画されたものに乗っかった形なので、温泉や旅館のセレクトはタッチしていなかったのですが、聞くと桜島の龍神温泉に狙いを定めたとのこと。
何か聞いたことある名前だな......としばらく記憶を辿ると、大変結構、結構大変。―ハラダ九州温泉三昧の旅に、まさに同じポイントを取り上げたエッセイが収録されており、久々に本棚から引っ張り出して「ああやっぱり」とはたと膝を打ったわけです。 更に記憶を辿ると、このエッセイを読む前にも別の友人とこの温泉を立ち寄り湯で利用したことがあったのですが、エッセイを読んだ時は「たぶんここに行ったことがあるんだけど確証が持てないなあ......」と考えていました。
っと、まだ導入部分だけで余談ばかりになりました。 言いだしっぺにクルマを出してもらい、私は助手席に乗り込み「ナビなら任せてくれたまえ ! 的確かつスマートに指示をするぞ ! 」と意気込んだわけですが、あいにくナビゲーションシステム搭載車だったので、機械にできることは機械に任せて一路鹿児島へ。
道中でちょうどおひるごはんの時間になったため、宮原サービスエリア ( 下り線 ) で熊本ラーメンを堪能することに。
やたら建物が綺麗だなあ......と思って今調べてみたら、
平成20年4月26日 リニューアルOPEN!
とのことだったのでそりゃあ新しいわッ、と納得。
高速を降り、一般道路に入ってからは道の駅垂水にて休憩。 ここは無料の足湯がある道の駅で、みんなは足湯を堪能していたのですが、私は細めのジーンズを履いていたせいでほとんど裾をまくれず、噴火を始めた桜島の様子をぼんやりと眺めていました。 自分のクルマから予め持ち込んでいたマップ雑誌とナビを見比べながら、旅館の近くに展望所があるとのことでそこに行こう、と提案。
――いやあすっかり忘れていました。 以前立ち寄り湯で龍神温泉を利用した時もこの展望所に行ったことを。
駐車場に進入して初めて「あ ! 」と声を挙げる忘れっぷりなので、むしろ新鮮な気持ちで再度観光をできるんですよ、ということにしておきましょう。 道の駅で眺めていた時よりも噴火が活発になっており、そして桜島がより近くになっているために黒い煙が悠然と立ち上っています。 その様子を眺めながら溶岩遊歩道を歩いていたわけですが、立ち上ったものはやがて舞い降るさだめ。 遊歩道の中盤に差し掛かる頃には灰が全身を打ちつけ、腕を顔を服を黒い粒がまだらに染めていきます。
もちろんクルマもイカした天然コーティングで灰色に染まり、これはひどいと連呼しながら旅館に到着。 灰落としも兼ねて早速露天風呂だッ、とばかりに海辺の龍神露天風呂に赴き、旅館独自の斜行エレベータ ( 初めて乗る人はびっくりしてバランスを崩す ) に乗って旅館独自の浴衣 ( 背中に南無観世音大菩薩と書かれている ) を着ていざ入浴。 以前入った時も思ったのですが、海難事故などで着衣のまま水に入り、溺れてしまうという事を擬似的に体験できます。 浴衣とはいえ、 1 枚でも服を着ていると水中で大きな負担になるんですね。
その後寝室よりも広い部屋にて、徳利に入れられた焼酎を猪口に注いで呷りながら料理に舌鼓を打ち、再び龍神露天風呂を堪能し、就寝前に枕投げ......ではなく現代っ子らしく Wii Sports で対戦するという流れ。 いや「っ子」という年齢ではないのですが、まあ「っ子」ということでひとつ。 ......というか Wii を持ち込んでいたんですね。 私以外は皆夜型なので対戦が白熱し、 ( 時にはリアルバウトに発展しつつ ) 夜が更けていくのですが、私は日付が変わったあたりで先におやすみなさい。
――この間に、重大な事件の伏線が !( ありません )
早く寝た分早く起きるのは自然なことで、多めにかいてしまった寝汗を部屋風呂で流し、皆を適当なタイミングで起こして朝の龍神露天風呂を堪能し、朝食にこれまた大変結構、結構大変。―ハラダ九州温泉三昧の旅でも取り上げられた龍神釜めしを、朝はそんなに食べきれないという人の分までいただき、チェックアウト。 そういえば 2008 年 6 月 1 日施行 改正道路交通法の自転車に関する部分のまとめでは自転車部分の改正法施行しか触れていませんでしたが、この日から後部座席のシートベルト着用についても ( 当面は高速道路上のみですが ) 取り締まりが始まるとあり、クルマに乗るたびに首を後ろに向け「ちゃんとベルト着けていますねー ? 」と確認。 もちろん後部座席に座った方はちゃんと着けていたので、私は単なるお節介さんに過ぎなかったのですが。
湯之平展望所を経由してフェリーで鹿児島市街に渡り、まだまだ朝食が残っているので昼は軽めに、ということで天文館むじゃきにて白熊を食すことに。 氷とアイスだからお腹が減っていなくてもだいじょうぶだろう、と思っていたら、氷とアイスがほとんどのため逆に終盤はペースが落ちましたが、完食。 Cafe de Blue で巨大パフェを食べた時よりも難易度が高かった気がしますよ。
その後土産物屋で家族や職場へのお土産、それと自分用のお土産としてさつまいもの発泡酒「サツマパープル」などを購入し、やはり昨日から持ち込んでいたマップ雑誌を見て「えびの高原へ行きましょう」という流れに。
――そういえば忘れていました。 えびの高原に向かう道すがらには、以前みんなで旅行した霧島温泉があったことを。
駐車場と道路との段差が非常に大きいファミリーマートや、泊まった覚えのある国民宿舎、道路に設置されている「有毒ガス発生注意」の看板などを懐かしみながら、またドライバーも単調な高速道路よりも楽しそうにハンドルを転がしながらクルマは進みえびの高原へ。 そういえば道中にて白鳥温泉上湯を通過したのですが、そこも大変結構、結構大変。―ハラダ九州温泉三昧の旅のエッセイに取り上げられたポイントです。
――忘れていたということにしばらく気付きませんでした。 霧島温泉の帰りにえびの高原を通過したことを。
高原ということで気温が低く、寒い寒いと言いながら展望台に上り「おい、 5 月中旬から 6 月中旬がベストシーズンとマップ雑誌には書いてあるけどミヤマキリシマが全然咲いていないぞ ! 」とぼやき、レストハウスに併設された足湯をやはりジーンズをまくれないという理由で私だけ見送り、夕食の計画を練ります。 北熊本サービスエリア ( 上り線 ) のカレーが美味しいととあるメンバーが提案し、携帯で本当にそのサービスエリアで間違いないかを確認の上で出発。
高原を出てすぐに、道路脇に鹿が歩いているのを目撃して「ああ、そういえば以前も鹿が道路にいるのを目撃した ! ここ通ったことあるわ ! 」と、やっと忘れていたということを思い出しました。
えびのインターチェンジから高速道路に乗り、しばらく進んだところでドライバーが眠気のために「運転手そろそろ終了のお知らせ」と言い出したので、最寄のパーキングエリアで停車し、私が交代要員となることに。 元々「普段から運転しているのでいつでも交代するよ ! 」と鼻息を荒げていたのですが、そもそもの発案が「久しぶりにドライブをしたい」とのことだったので、登板の機会は廻ってこなかったのです。
私以外は夜更かししていたこともあり、皆が車中で寝ている中黙々と高速道路のドライブを堪能し、北熊本サービスエリアに到着。 もうそろそろ「――忘れていました。」の繰り返しにも飽きてきたので普通に書きますが、このサービスエリアのカレーも以前食べたことがありました。 確かその時は一人で食べていた記憶があるので、出張の帰りに立ち寄ったのかもしれません。 おぼろげに「美味しかった」という記憶だけが残っていたので、観光と同じく今回も新鮮な気持ちでいただけるかもしれません。 皆同じビーフカレーサラダバー付をオーダーし、各自サラダを思い思いに取り分け、美味しそうなお肉がごろんと乗っかったカレーをいざ、ぱくり。
――ごめんなさい最後にまたこの言い回しをしますが、忘れていました。 ここのカレーって美味しいんだけどスパイスが効いていて凄く辛かったことを。 以前から公言している通り、辛いものを食べると汗をかきやすくなる私は食後の余韻にひたる暇もなく、「カレーが辛かったから帰る」と言い放ったとあるミュージシャンの気持ちが今なら解るッ、とひとり呟いて噴き出す汗を拭うはめになったのでした。

