鎌倉JAPAN satisfaction guaranteedの開設の断念と、武雄市長の不可解な発言
- 2013.12.20
- 地方自治
- 【自治体】佐賀県武雄市, 【自治体】神奈川県鎌倉市, FB良品, JAPAN satisfaction guaranteed

記事内目次
鎌倉市、鎌倉JAPAN satisfaction guaranteedの開設を断念
武雄市政における自治体としての手続きに関する個人的メモ – JAPAN satisfaction guaranteed関連についてで注視していた問題にて、鎌倉市が事業実施(鎌倉JAPAN satisfaction guaranteedの開設)を断念することとなりました。
- 通販サイトの開設断念、市長「市政滞ると判断」/鎌倉
鎌倉市は19日、地元名産品などを販売する自治体運営型通販サイトの開設を断念することを決めた。サイト運営の委託先をめぐり市議会総務常任委員会が「運営団体に不透明な点がある」などと追及していた。
- 鎌倉市「通販サイト」開設前に中止
契約では、消費税約三十四万円の分配が明確になっておらず、総務委で中沢克之委員長が、武雄市が消費税を受け取らない根拠となる企業連合への出資比率、分配比率についての資料を要求。市は武雄市に照会したが、回答がないまま中止となった。
- 神奈川・鎌倉市が通販サイト開設断念 委託業者の運営不透明
鎌倉市が経営実態の把握に向けて企業連合側に出資比率について問い合わせていたが、回答が得られなかった。委託費については議会で承認を得ているが、執行はされていない。
- 鎌倉市:ネット通販断念 委託先巡り市議会紛糾 不透明な幕引きに /神奈川
市議会が求めていた企業連合の出資比率などの資料は未提出のままで、不透明な幕引きとなった。同様の事業を進める全国17自治体にも影響を与えそうだ。
私の意見としては、このまま事業を強行してしまうと、厚生労働省が各都道府県に対して発した雇用創出基金事業における消費税の取扱いについてに挙げられている不適切な支出となり、緊急雇用創出事業臨時特例交付金の返納になる公算が高いため、開設断念はやむなしと思っています。
なお、このあたりの法令等の扱いはかなり難しいのですが、現状をまとめている鎌倉市と武雄市とのやぎさんゆうびんがいよいよ2周目に突入という記事が分かりやすかったので、あわせてお読みください。
そもそもの発端は、鎌倉市の通販サイトが、国の緊急雇用創出事業として行われることです。
緊急雇用創出事業においては、消費税免税事業者と契約する場合に、消費税相当額を支払うことは不適切な支出*1であるとされています。
地方自治体は消費税を納税しないため、鎌倉市が企業連合に支払う委託費の内、武雄市に分配される分について、消費税相当額を減額しなくてはいけないわけです。しかし、鎌倉市は企業連合との間で、消費税を含めた金額で契約しています。
鎌倉市の担当者は「武雄市は分配を受けない旨の回答を口頭で得ている」と答弁していました。
また、企業連合の代表構成員も、鎌倉市からの照会に対し「武雄市への分配は予定していない」と文書で回答していました。
このように、企業連合の一端を担う武雄市が、参加団体(この場合は鎌倉市)から支払われる委託費の分配を受けないのであれば、鎌倉市は消費税を含めた金額で契約することは問題がないはずでした。
ところが、
- 出資比率はまだ決めていないので、文書はない。
- 損益分配比率はまだ決めていないが、決定時点で武雄市は分配金を受け取る予定なので、損益分配をしないという文書はない。
- 武雄市は、利益配分を受けるが、金銭的な債務は負わないことを申し合わせている。
- 消費税は適正に処理する。
と、武雄市が委託費の分配を受けることとしています。
それならば、鎌倉市が消費税を含めた金額で契約した時点で損益分配比率が定められていないと、契約そのものに瑕疵があったということになってしまいます。
事業のコンセプト自体は地域活性化、雇用創出に寄与するものだったのかもしれませんが、公正な事業者の選定や契約事務の適正な執行を欠いたために、もはやそのまま事業実施してしまうと違法支出状態となるため、実施できなくなったということです。
樋渡啓祐・武雄市長が不可解な発言
また、この決定に関する関係者の発言の流れにおいて、企業連合側の武雄市の樋渡啓祐市長が不可解な発言をしています。
発端は、鎌倉市議会の総務常任委員長であり、この不透明な契約について質していた中沢克之市議が
先週、ある方から「武雄市長が政策創造担当次長に電話をかけてきて、次長がまいっている」との話がありましたので、今週で決着させることに。市長一派は姑息な計画をしたようですが、正副議長と緊密に連絡を取り合いながら、議会としての対応を行っていきました。それが、議会の「王道」です。
と発言したことに対し、樋渡市長は
事実無根。中沢議員もここまで書ければもうファンタジーの世界ですね。むしろ、あなたのパワハラに職場は参っているらしいよ。
鎌倉市役所に確認しましたが否定していました。中沢さんは嘘つきですね。 RT @wataridori9 中沢克之氏は「武雄市長が電話をかけてきた」と言い、武雄市長は否定している 武雄市民として、どっちが真実なのか知りたい。 ・・
と返しています。
しかし、中沢市議によると、2013年12月19日の鎌倉市議会総務常任委員会において、鎌倉市の政策創造担当部次長が電話があったことを答弁しているとのこと。
皆さんからの、情報ありがとうございます。昨日の総務常任委員会の政策創造担当部次長答弁で、武雄市長から電話があったことを、確認。来週には、録画がupされます。それだけです。
また、同じ鎌倉市議会議員である上畠寛弘市議も
総務常任委員長が委員会で確認しましたがわざわざ他所の市長が鎌倉市職員に直々に電話をしてきたそうです。上司(鎌倉市長)と仲良い市長からなんで進まないんだという主旨の電話。労務の観点から職員のメンタルヘルスが心配です。赤旗問題でもそうですが市長は自身の部下をしっかりと守ってください。
委員会という公の場で職員が証言されているのにただの空想・妄想であるという様な表現は如何なものでしょう…その後の書き込みも『あなたって品性下劣ね』という言葉を贈りたい。
他所の市長が『俺が電話したかどうか鎌倉市に確認したけど確認出来なかった』と言ってるみたい。何か滑稽です。総務常任委員会においてかの市長が電話をかけてきたことは事実だと職員が証言し確認されています。さすがに無かったことをあったかの様に強制して嘘をつかせるなんて鎌倉市では出来ません。
と明確に発言されています。
来週、鎌倉市議会の総務常任委員会の映像が公開されたとき、どちらの主張が正しいのか明らかになるとは思いますが、それでも「事実無根」と言い切ることができるでしょうか。
この記事の公開後、12月20日の22:33付でその後というタイトルの中沢市議のweblog、12月20日の23:59付で松尾鎌倉市長、ご苦労様です!というタイトルの樋渡市長のweblogの記事がそれぞれ公開されました。
政策創造担当部担当次長は、不在にしていたので直接は受けられなかったということと、電話があったのは事実です、という答弁。
それでは、ということで、武雄市長から電話があったということを示す文書一式等を情報公開請求。
委員会終了後、政策創造担当部次長が控室に来ました。
別室で打ち合わせをすると、「特に行政文書としては残していないんです。武雄市長から電話はあったが文書としては不存在、という記載でいいでしょうか」と。
中沢市議は、政策創造担当部次長とこのように会話した、と。
樋渡市長は、次に引用するように「直接電話してませんし、誰とも話ができていません」と、完全に主張が食い違っています。
まぁ、この中沢市議と、もう一人上畠とかいう市議、今日もTwitterで他所の市長(まぁ、僕ですが(笑))に嘘八百のツイートを飛ばしてきたので、他所さまの議員さんですが、別にいいか(笑)。で、ついでに、その今日の?八百の話。「先週、ある方から「武雄市長が政策創造担当次長に電話をかけてきて、次長がまいっている」との話がありました」って書いてたみたいだけど、そもそも僕、直接電話してませんし、誰とも話ができていません。
だから、もしそのとんでもな(失礼)委員会で、僕から電話があったか?と質問されて(この質問自身がとんでもだよね、ホントに。何の関係も無い)、実際に僕は誰とも話をしていません。さらに上畠市議は、僕からその次長さんが、「なんで進まないんだという主旨の電話」って言ってるって書いているらしいんだけど、話してないんだから、そんなの無理に決まってるます。何言ってるのって感じ。
鎌倉市議会の総務常任委員会の映像が公開されました。
武雄市長から電話があったことを、政策創造担当次長が答弁。
インターネット議会中継サイトの平成25年12月定例会・委員会 平成25年12月19日(木) 総務常任委員会より確認することができます。
2014年1月になり、行政文書不存在決定通知書が発行されたことが明らかになりました。
政策創造担当次長が「武雄市長が政策創造担当次長と直接電話で話をしたい」との伝聞を受けたこと、政策創造担当次長は武雄市長と直接会話していないことは、総務常任委員会における答弁のとおりですが、これに関する行政文書は存在していません。
また、それ以外の、武雄市長との接触に関する資料・文書等は存在していません。
これにより、樋渡市長本人か、武雄市の職員かは判別できないものの、鎌倉市の政策創造担当次長に対し武雄市サイドから「直接電話で話をしたい」というアクションがあったことは確実となりました。
中沢市議がパワハラを行っているのか?
先に引用した2013年12月20日付の樋渡市長の発言ですが、
事実無根。中沢議員もここまで書ければもうファンタジーの世界ですね。むしろ、あなたのパワハラに職場は参っているらしいよ。
この文面の中に、あなたのパワハラに職場は参っているらしい
という一文がありました。
このことについて、2014年1月6日付の鎌倉市の公文書にて相談の受付、行政文書の作成及び取得はしていないため、行政文書の存在はありません
と示されています。
もちろん、このことで分かるのはあくまで「行政文書としてパワハラの事実が記されたものが存在していない」ということに留まりますが、パワハラ行為が事実であるならば、鎌倉市から遠く離れた武雄市の樋渡市長の耳に入る前に、鎌倉市内部で何らかの対策や対応が行われているはずです。
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