武雄市政における自治体としての手続きに関する個人的メモ
- 2013.08.26
- 地方自治
- 【自治体】佐賀県武雄市, FB良品, JAPAN satisfaction guaranteed

記事内目次
まえおき
佐賀県に武雄市という自治体があり、武雄市図書館をはじめ様々な施策で耳目を集めています。
この図書館は、従来の公共図書館とは大きく異なる点があり、そのあり方については有志が日夜議論を重ねているようです。
私個人としてはあまり公共図書館という施設を利用することはなく、「公共図書館はこうあるべき」という主張は持っていないのですが、自治体の手続きとして疑問に思うことが散見されるので、そういったところについて個人的メモとして、武雄市政および武雄市図書館関連のことを、この記事を中心に随時記録していこうと思います。
なお、グッドデザイン賞についてはこの記事とは別に武雄市は2013年度グッドデザイン賞応募に関する事務を適正に行っていない?という記事を作成しています。
武雄市図書館の指定管理者の選定について
2013年8月26日付で、「地方自治でできないことはない」樋渡啓祐・武雄市長というインタビュー記事が公開されました。
その記事中で、武雄市の樋渡市長は
――武雄市図書館の経営をカルチャー・コンビニエンス・クラブ(CCC)に委託するきっかけは?
「2011年12月末に、『カンブリア宮殿(テレビ東京系)』というテレビ番組で、東京・代官山の蔦屋書店のことを見たんです。友人を介し増田宗昭(ますだ むねあき)CCC社長に面会を申し入れ、副社長に会えるというので行くと、社長が路上にたたずんでいた。勝負どころだと思い、いきなり『市図書館の運営を任せます』、そうぶつけました。すると、増田さんが『私もやっていいと思っていた』。びっくりして思わず『何で』と聞くと『図書館と病院は最高のサービス分野。市長は病院のことで苦労されていたので、図書館は自分のところでやれたら』と答えてくれた。冬晴れの路上で、根回しも妥協もなく始まったんです」
という発言をしています。
この流れは2012年6月武雄市議会の市長提案事項説明要旨でも市長自身が説明されていますが、その後の2012年7月5日の指定管理候補者選定委員会(議事録)にて、指定管理者を非公募として選定されています。
なお、総務省自治行政局長名による技術的助言では、指定管理者の指定の申請にあたっては、住民サービスを効果的、効率的に提供するため、サービスの提供者を民間事業者等から幅広く求めることに意義があり、複数の申請者に事業計画書を提出させることが望ましい
とされています。
選定委員会で決定され、市議会でも承認の議決がなされているので、地方自治法等に違反しているとは言えないのですが、いきなり「運営を任せます」と言い切っていることを改めて堂々と公言していることに、驚きを隠せません。
なお、この選定に関する経緯は、次のリンクがよくまとまっていると思います。
JAPAN satisfaction guaranteed関連について
JAPAN satisfaction guaranteed関連も何やら不透明な経緯があり、住民訴訟や議会での追及が行われているようです。
純粋に商売としての視点での、売上や費用対効果についての考察はJAPAN satisfaction guaranteed(旧称:FB良品)の自治体側のコスト・出品者側のコストから費用対効果を考えてみるにまとめていますが、企業連合という面の考察は下記のリンク群が参考になります。
- 武雄市に対する住民訴訟を提起しました
- 提訴:ネット販売巡り武雄市を 市内の男性 /佐賀 –
全国16団体がインターネットを利用して特産品を販売する「FB良品」(現ジャパン・サティスファクション・ギャランティード)を巡り、民間会社2社と連帯債務を負う契約を武雄市が結んでいるのは「法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律」に違反するとして、同市の自営業者の男性(43)が1日、武雄市を相手取り住民訴訟を佐賀地裁に提訴した。
- 提訴:ネット販売巡り武雄市を 市内の男性 /佐賀 –
- 訴訟:鎌倉市、契約業者を巡りトラブル 名産ネット販売に影響も /神奈川 –
鎌倉市が鎌倉の名産品をインターネット販売する事業で、業務委託先を巡って住民訴訟が起こされていることが分かった。委託先の事業者は佐賀県武雄市などが発足させたが、判決によっては事業展開に影響も出かねず、市は「情報収集に努める」という。市議会総務常任委員会の中沢克之委員長は8日、市に説明を申し入れた。
- 松尾 崇 – 【鎌倉sgについて】 –
今回の事案は、本市が契約を締結した後のことで、現時点では、武雄市に対し住民訴訟が提起されたという報道がされている段階です(武雄市も訴状を確認できていない状況の様です)。このため、本市の対応としては、契約に基づき、魅力的なサイトとなるよう準備に注力してまいります。
- ネット通販委託訴訟:鎌倉市議会委が審査 /神奈川 –
一方、総務常任委の中沢克之委員長は、消費税の支払いが記載されている同連合との契約について「納税義務のない武雄市に消費税を支払う必要はない」と指摘。同連合内の分配比率などの資料を市に請求した。
- 疑惑|中沢克之(自民党鎌倉市会議員) オフィシャルブログ「温泉議員日記」 –
つまり、武雄市に対しては、厚労省の通知によって明らかなように消費税の支払いをしてはいけないのです。消費税の支払いで、任意組合である「F&Bホールディングス企業連合」の実態をきちんと把握しなければなりません。
- 鎌倉市が運営する通信販売サイトにコンプライアンスの問題が! | 保坂れい子 –
今日の総務常任委員会協議会は、結局延会となりました。F&Bという企業連合がパススルー(組合業務にかかる損益が組合ではなく組合員に直接帰属する)の任意組合で、消費税を支払っていないのに、鎌倉市が事業費に消費税(約34万円)を含む委託費を支払う契約になっており、契約の一部見直しの必要性が指摘されたためです。協議会は22日に再び開かれます。
- 松尾 崇 – 【鎌倉sgについて】 –
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